2003-09-28

M-net 2003-09-28

人、物、金の次に来るもの

 経営や事業を営む上で最も大切なものが「人」「物」「金」と言われる。
 ではその次に来るものは何かと言うと、「情報」と一般的には言われ、間違いではない。
 しかし、「今求められるサービス業の3原則」は次の3つと言う話を聞き、これはサービス業だけでなく経営全般に当てはまるものだと納得した。

1) ホスピタリティ…人間力、接触力、おもてなしの心
巾と深みを持った心遣い、思いやり、心憎い程の人間性、とっさの時の判断・対応、など
2) エンターテイメント…演出力
非日常的な演出や感動するような仕掛け、イベント、やり方、など
3) プリバリッジ…特別待遇
あなたの為の特別な席、プラン、計画、部屋、食事…など、
みなさんではなく、特別なあなたの為にと言うメッセージのあるサービス

要は今までのやり方、提案、企画との「違い」をどう出せるかである。
この1、2、3によって明暗が出てしまう。


野球からサッカーへ

 野球は監督の指示のもと、様々なゲームをグループ(9人)で行う。監督も選手と同じユニフォームを着て、選手は監督の指示を待ち、監督の指示に従ってゲームを行っていくスポーツである。
 一方、サッカーは試合が始まると監督は背広を着て高い所(席)で全体を見ていて、一切指示は出さない(出せないと言うのが正しいかも知れないが)。選手1人1人が状況判断をし、自分で瞬時に決断をしてゲームをしていくスポーツである。あくまで個人の判断力やプレーが勝負を決めていく。そうかといって個人プレーでは試合に勝てない。
……と言う話を聞いた。

 どちらも選手1人1人の能力は高くなければならないが、野球は1人のリーダー(監督)の力量によって決まってしまう事が多い。しかしサッカーは個々が判断し、行動してしかもチームとして勝利へ導かなければならないプランナーとプレイヤーとを同時に進行させなければならない。

 どちらが正しいと言う事ではなく、1人のリーダー(社長)の指示で動くシステムから、これからはサッカーのように一人一人の社員が状況判断でき、行動し、会社(チーム)全体として勝利へ導くシステムが求められる。
 「人材」と「教育(トレーニング)」、そしてそれを指導する「監督」の3つがポイントである。

2003-09-18

M-net 2003-09-18

女の強さ、男の自立

 先日、東北新幹線の中で50~60才の女性と一緒になった。
 私は重いかばんを二つ(ビジネス用と着替え用)を持って新幹線に乗った。女性は私に「ビジネスですか、大変ですね」と一言。私がよほど仕事人間と思われたかどうか分からないが「立派そうな人ですね」と言い、
「男は夢に生き、女は現実に生きています」「特に男の過去の栄光はどうしようもない」
「趣味や楽しみ、友達も、待っていてはダメで、こちらから積極的に見つけなければならない」
「結婚しても女性は家政婦みたいなもので、男は何も変わらない」
「男は離婚した妻が元の鞘に戻ると思っているが、女はわき見はするが元には戻らない」
以上の様な事を私に向かって言った。「結婚し、子供を産み育て、仕事をし、家事をすべてやり、離婚をし、様々な事を経験した。今は充実し、趣味や旅をし、友人と話し、毎日が楽しい。葬儀の費用だけ残し、子供には一切お金を残さない。」短い一時間くらいの間に色々と話しをして下さった。

 男性に対する不平や不満なのか、私は言いやすそうだったのか、あるいはたまたま輝いて見えたのか、この女性の話を聞いていて、女の強さ、たくましさを感じた。

 又男性はこれから(今も含めて)、「夢だけでなく現実を知り」「仕事以外に趣味を持ち、多くの友人を持って、生活をエンジョイする為に、積極的に外に出てチャンスを作り、活かし」「家庭でも家事に協力し」自らが従来の自分から「自立」しなければ、これからの長寿社会を生きていけないと実感した。男も「輝くなら一生輝き続ける」か「自立」をするかを選択しなければならない。


分かる事、出来る事

 「分かりました」と言いながら「何も行動しない」学生さん。
 つまりは分かっていない事である。あるいは分かっていてもどうして良いかわからないのかも知れない。「分かりました」と言って、良い結果、悪い結果は別として、行動や挑戦する人は1,000人に1人?くらいである。

 頭でどんな事を考えても、行動してみなければ結果は出ない。良いか悪いかも。
 今年の2月頃より新卒の説明会を全国で行い、そんな事を実感している。 就職の内定率がどうのこうのと言う前にもう少し目標を定めて行動してみたらと思う。学生だけでなく、社会生活や企業活動の中でも「分かりました」と言いながら問題や決断を先送りする人が多い。分かりましたと言って即行動したり、挑戦する人を私は高く評価し、尊敬もする。そんな人材を育てたい。

 「何を思ったか、考えたか」でなく、「何をしたか」で全てが決まる。
 行動や様々な経験が新しいものを生んでいく時代でもある。失敗から学ぶ事も多い。


2003-09-08

M-net 2003-09-08


時代の先端をいく中国/上海

 インターネットがすごいスピードで生活の中に入ってきている中国である。

・ 地方都市で求人を依頼され、インターネットで1週間募集した所、500名以上の応募があった。この500人以上の中から客観的基準(男女、年齢、地域、他)でまず選別し、次の面接で能力や知識などの判定をし、数名を内定した。

・ 上海で同じように募集を始めた。応募期間は1ヶ月であるが、1000~2000名以上の応募が見込まれる。中国の大都市では転職が大流行のようである。しかしこの転職や仕事を見つけるのにも、パソコンが使えないと出会いの場さえない。

・ 上海や都市のホテルを予約する時、ほんの少し前まではそのホテルと協議をし、値引率を決めて予約をTELで入れた。しかし今はインターネットで予約するのが一番スムーズで、最も安く泊まれる。

・ 上海で企業のトップと会って色々な話をするが、トップの話が従来の仕事の延長線上だけの話ではつまらない。インターネットも活用するビジネスや目新しい発想など、おやっと思えると話が弾む。成長の可能性があるか否かの1つに、ITやパソコン、インターネットの話が出るか否かである。インターネットの話をした時、相手がその話に応じてくれれば将来性大であるが、乗ってこない場合は、その経営者の将来性や事業の可能性は限りなく低いように思えた。

・ インターネットの役割がドンドン生活や仕事の中に入って来ている。使うITだけでなく、新しいビジネスを創造したり、機械化、自動化できるものはIT化し人間にしか出来ない事に多くの時間やお金などのエネルギーを投入すべきだと中国/上海で実感した。


日本語と英語、中国語

 日本語はよくあいまいだと言われる。
 例えば「私はあなたが好きです」は肯定文。「私はあなたが好きではない」は否定文。
 日本語は最後まで聞かないと意味が全然違ってしまって難しい。 英語や中国語はNoとか不(プー)が最初に来るので、最初の一言で大まかな意味が分かる。 これは文化の違いで、直せと言っても簡単にはいかない。

 しかしグローバル化や国際化の中では、日本的な考え方だけでは、相手にされなくなってしまう。ビジネスや生活の中でまず最初にYes,Noをはっきり出す習慣を身につけたい。「最初に結論を」、である。勇気とか決断が要るが、慣れてしまうと決して難しくはない。常に全体を見てベスト案、次案を考えて判断、決断をするトレーニングが必要である。ではどうしたら全体が見えたり、理解できるか?


理解

 あいまいな表現の本質や言いたい事を理解できれば、最もふさわしい自分の言葉で言い表す事が出来る。よく理解出来なければ、真似をするしか道はない。
 どうしたら理解できるか?「木を見て森を見ず」ではないが、全体、全容を推察や洞察する。枝葉でなく幹(本質)はどれで何か。主語(最も大切なもの)は何かを見つける事である。余分なものや、飾りを捨ててしまうと主役が見えてくる。これもトレーニングで出来る。要は挑戦である。

2003-08-28

M-net 2003-08-28

WhatとHow

 どうやるか(How)と言う事もすごく大切であるが、やっている事が時代に合わなかったり、可能性の小さな事では、いくらどうやるかを考えても限界がある。トップの仕事としては何をするか(What)が最も大切で、この何をするかが正解でなくても、社会性があったり、時代を先取りしていると、努力や工夫のHowが大きく貢献し、大きな成果を得られる。

 先日もある経営者とお会いした折に、その経営者が「どうやって良い物を作るか、作る事に全力を投入している…」と話すが、どうも元気がない。なぜ元気が無いのですか?と質問すると、「その商品が売れない。市場が小さくなっている。競争が厳しい…」私はその経営者に、トップの仕事は「How」(どうやるか)ではなく「What」(何をするか)ですよと話した。

 今時代はHowからWhatやWho(誰がやるか)、Where(どこでやるか)、When(今すぐやるかどうか)にかかっている。担当者の能力が大きくモノをいい、地方でやるか都市でやるか、即決しチャンスを活かす…など。


忘れる

 約束した事や、お願いした事を忘れてしまう人がいる。忘れてはいないが、先送りしているのかも知れない。小さなどうでもいい事を忘れたり、先送りしても問題は少ないが、大きな事や基本的な事を忘れたり、先送りされては非常に困る。困るだけでなく企業の生死に関わる事も多い。
 忘れたり、先送りする人にはある共通点がある事に気づいた。

1. 目標や方針がはっきりしていない。持っていない。つまり問題意識がないか薄い。
常に足元や目先の事など当面の事だけをやっている。計画と実行のチェックが全然無い。

2. 受け身で指示待ちである。
情報を新聞やTVなど一方的に与えられるモノから得て、それで満足している。
自らが提案したり、新しい企画を出したりして、自ら情報発信をしていない。
言われた事、指示された事は一生懸命やるが、それ以上は気づかない。

 どうしたら良いかを少し考えてみた。

 まず①通常よりチョット早く出勤し、今日一日何をしなければならないか計画を立てたり、大切な事は何か、どうしてもやらなければならないものは何か、などを考えたり、目標を立て――、一日実行し、――帰る時もう一度朝立てた計画と結果をチェックしてみると、忘れる事はあり得ない。1週間、1ヶ月、1年も同じである。

 次に、②受け身でなく、自らが新しい事に挑戦したり、1日1つは何か新しいヒント(雑誌や本から、自分で外に出て何かを感じ、いつもとは違う人と話し、何かを気づくなど)を意識的に得て、メモにでも書き残し、マンネリから抜け出し、頭の活性化、つまり脳の活性化を毎日行う。

 そしてラストは、③実行と継続である。さあ、今日から始めよう。


2003-08-18

M-net 2003-08-18

まさかの時代

 8月5日の夕方、主力仕入先の㈱クボタから連絡が入り、クボタの建材事業部と松下電工の外装事業部が今年12月1日をもって合併するとのビッグニュース。明朝の新聞に載るとの事…。
 昨日までの敵と、今日は手を結び一つの会社になる。まさに「まさかの時代」である。住宅業界も成熟産業となり、建材市場でも拡大は望めず、何か新しい道を見つけなければならない。鉄を見ると分かるが、新日鉄と川鉄の2つのグループになり、シェアをお互いに守りながら共存している。住宅業界の中の屋根、外壁、建材マーケットも大手十数社がひしめいている中の第一弾としての強者連合であるが、今後第二、第三の合併もあり得る。

A. そして、まさかの情報に接した時、どうしたら良いか?
まず「その情報の真偽と真意」を確かめなければならないが、人間関係や幅広いネットワークがないと手の打ちようがない。そして確認をした上で関係者にスピーディーに「事実と見通し」を連絡しなければならない。それから当社で予想される「問題点」などを伝えなければならない。「1つのピンチは大きなチャンス」である事も含めて。

思えば今年の春、クボタの幹部の方が当社に訪れた際、「建材業界をどうしたら良いと思いますか?」と質問され、私は本心と冗談を込めて「松下電工さんと強者連合したらいかがですか…?」と話した事があり、幹部の方は黙って話を聞いていた…。
今回の出来事を一つのチャンスととらえ、我々はより強い「屋根工事日本一」とそして「外壁工事日本一」を目指しスピーディーに、そして積極的に対応していきたい。

B. 「変化の時代」に求められるものは何かを考えてみた。
1. 情報力………………オフィシャルな情報とそれを確認する人的ネットワーク
2. 柔軟性………………何が起きても柔軟に対応できる頭と体
3. スピード……………即対応する
4. 差別化(違い)……他社との違いを日頃より明確にしておく
5. 人間力………………要(1~4)は、人間や社員の能力差である。
           人をつくった企業、組織が成長し、勝ち残っていく


働ける事は幸

 ある知人が生活保護(生活困窮者の最低生活保障を国が行う)を受けた。理由は家庭にも問題があり、中高年の為仕事も見つからず、資産も預金も支援者もなく生活が出来なくなったからだ。
 国からの生活保護を受けている人はなんと130万人(人口1億3千万人の1%)、つまり100人に1人いる計算だ。ここ7年間で50万人増えたそうだ。健康で仕事(社会に役立つ)が出来、国や他人に頼らず自立している事がいかに幸せかを知り、様々な事を考えさせられた。

2003-08-08

M-net 2003-08-08

「読む」と「見る(目を通す)」

 ある資料がある。A君にこの資料を読んで下さいと指示する。
 ある資料がある。B君にこの資料を見ておいて下さいと指示する。
 同じような言葉であり、同じような意味であると思うが、全然違う。
 A君にはこの資料をよーく読み、文章の裏や奥にある意味を読み取ってもらい、二人でディスカッションしたいと思っていた。
 B君には参考程度、勉強になるからさっと目を通し、不要なら処分してもいいと思い、見ておいて下さいと指示した。

 TVは見ると言い、読むとは言わないが、新聞や雑誌は読むとも、見るとも言う。
 読むとは内容を理解したり、悟る事を意味する。見るとは眺めたり目で認める事である。
 中には資料や書類を読まないで叱られたり、大切でない資料や書類を多くの時間をかけて読み、無駄な事だと叱られたりして、何がなんだか分からなくなってしまう人もいる。「読む」と「見る」の違いについて記したが、同じようで全然違うこともあれば、違うようで同じ事もある。

 自己中心や自分の価値観だけで判断するだけでなく、チョット相手の立場になって考えてみるとミスもなくなり、無駄も省けて、効率も良く、相手からも高く評価される。ほんのチョットの差が大差となる。


優良企業

 しばらく前に「優良工務店とは何か」と言う講演をした。
 一通り話をして、質疑応答の時間にある人が「話はよく分かったが、一言で言えば優良企業とは何ですか?」との事。どの企業経営者でも「この機械を導入すれば、生産力が3倍になる」「この土地、株を買えば必ず値上がりする」…など、目に見える投資は即実行する。しかし、素晴らしい経営者は「人材の育成」「技術の蓄積」「環境への配慮」「ソフトの開発」など、目に見えないものへの投資をしている。この差が企業間格差となり、今は同じ企業でも将来大差となって表れてくる。目に見えないものへの投資を利益の中からどれだけやっているか否かで決まってしまう…と言う風に話をした。

 今時代は、目に見える差別化をするのは非常に難しいが、人の差やソフト、サービスなど、目に見えない差別化が注目され、企業の優劣を決めている。企業だけでなく人間にも当てはまり、見えない、形にならない差が人の差となって来ている。少しの時間と少しのお金を自分自身の為に投資したい。そして「魅力ある人」となりたい。


2003-07-28

M-net 2003-07-28

区別、選択

 何が大事か、どれが緊急か、今何をなすべきか…。日々意識するかしないかは別として毎日選択をしているが、近頃おやっと思う事が多い。特に若い大学生などの選択を見ていると、考えさせられてしまう。「面接を○○日に行います」と話すと「バイトでムリです」…。授業ならいざ知らず、友人も教授もみな同じである事がそんな風に大事な事を区別できなくさせてしまうのか?
 私の体験に基づく区別、選別の仕方を2通り記してみます。

①本物とニセ物の区別
 20代の頃、文化財の判定のお手伝いを4年間させて頂いた。どれが本物かニセ物か区別が出来ない。本物と思えばみな本物に見える。ニセ物と思えば皆ニセ物のような気がする。
 ある時委員長に「本物とニセ物」をどう区別、判断したら良いですか?と質問した。すると委員長は、「絵でも、刃でも、人間でも、自然でも、いつも本物に接しているとニセ物はすぐ分かるが、いつもニセ物ばかりに接していると、何を見てもニセ物と思い区別が出来なくなってしまう。いい目を持ちたかったら、出来る限り本物と接しなさい。目を養う事だ…」との事。以来可能な限り本物と接してきたが、まだまだ目が養われたかどうか自分自身不安である。
 しかし今もできる限り本物と接する(一流と言われる人と接したり、世界の人々と直接接したり、美味しい食事を時には食べたり、芸術にも接したり…)努力をしている。待っていては誰とも会えず、自らがチャンスをつくり、場をつくっている。

②自分で判断する為の情報収集
 TV、新聞、雑誌など一方的に与えられる情報だけを情報と思い込み、自分は情報を持っている、判断は正しいと思っている人も多い。誰もが得られる情報は持っていなければならないが、自分の足を使い、自分の目で、耳で得られる自分だけのオリジナルな情報も持っていないと、選択が間違った時、原因を相手のせいにしたくなる。自分の判断基準、価値基準、区別や選択のモノサシを持っていると、もし間違っても原因自分論で、同じ失敗は二度としない。
 目先の事だけで判断してしまうと、大きなものを見失ってしまう危険が多い。そして一度失った「チャンス」は取り戻す事が出来ない。

③要は、 「本物に接する努力」と「マニュアルに頼るのではなく、チョット先を考えた、自分の選択の基準を持つ」事が必要である。全てが同列ではないので、自らの頭で考える区別、選択がその人の評価となってくる。今はデジタル化と呼ばれているが、最後は人と人、人間力が問われている。