2012-11-28

M-net 2012-11-28

P.D.C
 何か新しいことを始める時、まず①Plan(計画、目的) ②Do(実行、挑戦) ③Check(計画と実行の差、今後の対策)が頭の中に入っていると良い。ただ実際には『P.D.C』を省き、当面の対応や目の前の現象からスタートしがちである。結果、目的に到達せずに中途半端で終わることが多い。
 今回、ある課題(レポートの作成)をAさんに依頼した。翌日に計画書が提出され、これでいいと思い、OKを出した。2~3日すると本題のレポートが私のところに届いた。読んでみると、完璧に近い。何人かの人にこのレポートを読んでいただいたところ、「背筋が寒くなるほど良い文章だ…」「起承転結ができていて申し分なし」とのこと。Aさんに、「これでOKです。ありがとう」とお礼を言った。

 翌日、『レポートを作成してみて』という報告書(感想、これからについて)がきた。
この中で、
1.気づいたこと……
 ・自分だけですべてをやろうとしない(素材の活用、アドバイスを聞く)
 ・相手目線(相手の求めるもの、読む人の立場に立つ)
2.改善点…………
 ・時間(予定通りいかないことを念頭にすぐ着手)
 ・伝わる文章にするために
①全体構成(奇をてらうことでなく全体の流れ)
②結論(本質)(ぐっと刺さるもの、依頼者の話をよく聞く)
③肉付け(具体的エピソード)
3.感想……………
・苦労は未来に活きる
・何事も表面に見えるものの裏には、いろいろな苦労があり、それを支えてくれる人がいる。どれだけそういう点に気づくことができるかが人間力である。

 指示されなくても自ら反省し、自主的にこんな文章を書けるAさんを誇りに思う。文章を書かせてみると、その人が分かる。もう一度、PDCの大切さを!

職人見習い
 今、当社では4人の職人見習いを育てている。ヨーロッパでは職人のことを『マイスター(名匠・大家・親方・師匠)』と言い、多くの人から尊敬されているし、技術にも誇りを持っている。不況の中でもリストラはなく、技術技能で生きていける職業である。当社では「南富士職人軍団」として、屋根外壁職人集団を形成している。
 今、4人の若い(23~26歳)見習職人が、実践を通して研修を受けている。彼らが一人前の職人として独立する日も近いし、楽しみでもある。不況だ、仕事がないと嘆いていないで、手に技をつけるのもこれからの新しい生き方のひとつである。当社の4つの人づくり(社員・学生・経営者・職人)のうちの1つである。頑張ってください。期待しています。

2012-11-18

M-net 2012-11-18

GMC第21期スタート
 GMC(Global Management College)の第21期が、中国・武漢でスタートした。今回は、中国トップ大学の学生だけでなく、ベトナムからの留学生や、イギリスのトップ大学へ留学している中国人学生など、多彩なメンバーが参加している。GMCを始めて8年、社会のグローバル化がますます加速する中で、GMCも時代に合わせ、国際的な組織へと日々成長している。

変化力
 GMC教育プロジェクトに、サポートとして参加している社員から報告が届いた。「今回、GMC教育の一環であるプロジェクト課題報告会に参加しました。学生たちに与えられる課題は、日系企業から様々な依頼が来たことを想定したもので、それらの解決方法などを報告してもらいます。(今回のテーマは「中国マーケットで勝つための投資方法」)
 GMCの教育は、学生たちを鍛え上げるもので、彼らにとってかなり辛いものです。しかし、それ以上にGMC教育スタッフたちは大変です。学生は課題を達成するため、睡眠も削って、動き、考え、調査し、また動いていきます。しかし、それ以上に動き考え、寝ていないのがGMC教育スタッフです。教育は本当に料理と同じで、状況に応じて最適なエッセンス(本人に悪い所や良い所を意識させる環境)を加えていかなくてはならないようで、GMC教育スタッフはつねに学生から目が離せません。GMC教育スタッフには頭が上がらないと感じました。
 また今回、GMC教育スタッフが学生を評価する会議に参加しましたが、改めてGMC教育の大切なポイントに気付かされました。私は「誰が優秀か」を話すと思っていたのですが、そういう話ではなく、「誰が一番“変化”した?」「誰が一番“成長”した?」と学生の“変化の幅”を話し合っていました。GMC卒業生たちが、社会に出た後、急激に成長する理由が理解できたような気がしました。
 教育スタッフたちは、現時点での学生の能力よりも、どれだけ変化したか?変化した幅はどれくらいかを最も重視しています。ですので、学生たちは持ち前の成長力で、卒業後どんどん成長していくのだと感じました。改めてGMC教育の奥の深さや難しさを感じました。」

企業改革
 今、ある会社の改革に取り組んでいる。最大のポイントは「意識」と「行動」の変革である。「改革」というと聞こえはいいが、実際には大変なことである。「当たり前」と思っていた考え方ややり方を変えることは、それまでの常識や自分との戦いであり、困難や苦痛が伴う。世の中が激変する今、変化できない人や組織は、時代に取り残されていく…。

2012-11-08

M-net 2012-11-08

改 革
 組織や人が衰退して行くとき、そこには共通のルールがある。
①全体が見えていない(変化に気がつかない)
②問題点は分っているが、対策をしない(見て見ぬふり、他人ごと)
③出来ない理由ばかり主張
④自分を正当化。環境や外的要因のせいにする
⑤見える化できていない(数字で表す、絵で表す)

 皆、自分では良いと思っているため、無意識に陥っている“病”には気がつきにくい。では、病が蔓延した組織や人を変えて行くために必要とされる力は何か?
①事前準備
②見えないものを見る力(本質)
③真摯な姿勢(目標達成のため言いにくいこともはっきり言う)
④豊富な知識、経験
⑤その場で答えを出す
⑥相手(TOP)の気持ちをよく分かっている(人間力)

 変革には痛みが伴う。従来の価値観や習慣を変えることは決して容易ではない。しかし、「このままではダメだ」と気が付かなければ、組織は滅び、やがては国家をも滅ぼしかねない。自分に当てはまるものはないか?順調な状況でも甘んじることなく、一人一人が自己を律して行きたい。

判断基準
 新聞、テレビ、雑誌、インターネット…。情報が錯綜する現代社会において、明確な判断基準がなければ振り回されてしまう。特にリーダーにとって、“本質”を見極める“判断力”は必要不可欠である。
 ◆情報を鵜呑みにしない
 ◆自分の目で見たもの、肌で感じたものを信じる
 ◆本質は隠れている(目に見えない)
 ◆自己中心は問題外

 情報が溢れる中、判断を下すことは非常に難しい。問題の本質は何か?本当にこれは事実か?目の前の現象や断片に惑わされることなく、冷静に、客観的に判断する力が求められている。

情・理・法
 先日、中国である調査を行った時のこと。問題社員の解雇が迫られる場面で、当社の中国社員がこんな事を口にした。
「きっと日本では、1に法、2に理、3に情で判断すると思います。しかし中国では、1に情、2に理、3に法です。情(気持ち)が傷つかないように対処をしないと、後で大変なことが起こります。」
 グローバル化とは、異なる価値観や考えを持つ人々と共に目的を達成して行くことである。だからこそ、現地の異なる文化、背景を理解した優秀な人財の存在が、ビジネスの成否を分かつ。