2012-09-18

M-net 2012-09-18

素直
 人の話を聞くと、いつも「分かりました」と気持ちのよい返事をするAさんがいる。しかし、やることはいつも違い、言動が一致しない。本人に悪気はないが、約束を守らないため、信頼を得られずチャンスもない。
 一方、いつも目を輝かせ、何事も懸命に取り組むB君がいる。自分が言ったことは必ず実行し、周囲への感謝・気配りも忘れない。皆からの評判がとても良い。相手の話をよく聞き、行動をよく見て、良いものは何でも真似してどんどん変化していく。結果、より多くのチャンスを掴み、ますます成長していく。
 Aさんは、表面的には優等生である。「はい」と返事をしていても、内心は「そうは言っても…」とできない理由を考え、自分の価値基準を決して変えない。“素直”と“お利口さん”は違う。“素直”は成長の近道である。

柔らかい頭
 先日、NHK記者の方が三島本社に来社された。「日中国交40周年」をテーマに、30年以上に渡るわが社の中国での取り組みを取材したいとのことである。ところが、取材中に私が話をした「日本の危機的状況」「現状打破の鍵となる若者の育成」に大変興味を持ってくださり、「企画の方向を変えたい」とのこと。
 最終目標やブレない軸を持つことは大切だが、固定概念や決まった枠にはめようとするのでなく、良い物があれば柔軟に取り入れ、より時代に合ったもの、社会が求めているものに形を変えていく。
 激動する社会において、“柔らかい頭”をもつ“変化力”が、生き残りの明暗を分かつ。

本質
 先日、ある企業を訪問したMさんとCさん。経営者からお話を伺い、問題点と解決策を用意した。ところが後日、先方の希望で私が改めて訪問してみると、前回と話の内容は同じでも、より本質的な問題が浮き彫りとなり、解決策もまったく異なってしまった…。
 この差は何だろうか?「この人なら大丈夫」「この人なら信頼できる」という安心感がないと、人はなかなか本心を見せてくれない。では、どうしたら心の内を語ってくれるだろうか?
 1.こちらの本気度
 2.話のポイントが分かる
 3.能力や知識・情報などが、相手と対等またはそれ以上である
 4.その人と話をすることで、何かヒントを得られたり、問題解決の糸口が見つかりそうな期待感

 この人はいけるかどうか、人は瞬時に判断する。自分の「顔」は、「発言」は、「行動」は…? 日頃が勝負である。

M-net 2012-09-28

相手の立場で考える
 9月末に住友化学へ入社したGMC卒業生2名と、東京で面談した。明るい笑顔とさわやかな雰囲気がとても良い。10月に入社する一般の新入社員たちよりも1週間ほど早く入社し、人事部のリーダーとして皆を指導していく役割である。彼らの上司となる人事部長は、「私の代わりに、目となり耳となって情報を集め、考えてほしい」と、全幅の信頼をおいてくださっている。
 「GMCで一番学んだことは何ですか?」という私の問いに対し、「相手の立場で考えること」との答え。
 「自分中心でなく相手中心、相手の目線で、相手の気持ちを考えて行動することを、半年間徹底的に教わりました。それまでは自分だけが良ければそれでいいという考えでしたが、相手の立場で考えることを学びました。」
 これだけのことを言えるのは、厳しさと愛情を持って育ててくれた中国の社員たちのおかげでもある。2人とも大学を卒業したばかりの22歳。目は活き活きと輝き、希望に満ちている。彼らの活躍を心から楽しみにしている。

正しい判断
 連日の日中問題について、多くの人々が先行きを不安がっている。「中国はどうなっているのか?」 「これから先どうなっていくのか?」…いろいろな質問に私が答えられるのは、正しい情報が入ってくるからである。
 それは、中国の若い社員たちが実際に目で見て感じる現場の情報であり、メディアに加工されていない生の情報である。若い人たちが正しい情報を送ってくれるからこそ、私も正しい判断ができる。起こっている現象は誰にでも分かる。物事の本質を見抜く力や洞察力が求められている。

元気がない人には肉を!
 私の周りに、肉好きのK君がいる。元気がないとき、肉料理を腹いっぱい食べるとたちまち元気になる。人間は、お腹が満たされると血行が良くなり、頭も冴えて知恵が出る。お腹が空いている状態では、いくら考えようとしてもなかなか良いアイディアは出ない。
 肉はエネルギーの素である。場所を変えて食事をすれば、頭の切り替えにもなる。もしあなたの周りに元気のない部下(特に男性)がいたら、ためしに肉料理をご馳走してみてはいかが?

2012-09-08

M-net 2012-09-08

“教”と“育”
 “教育”という字を見ると、“教える”と“育てる”の2つの字で成り立っている。“教える”と“育てる”の違いは何だろうか?新入社員の教育を任されたK君。さっそく新人に課題を出した。ところが、あがってきた提案に対し、失敗しないように細かいところまで“教えて”いる。  「あれはダメ、これもダメ、ここはこうした方がいい…」 せっかく考えても、ダメ出しばかりでは仕事がつまらないし、行き詰ってしまう…。人を“育てる”には、答えを教えないことが一番である。  実際にやってみて、困難にぶつかったり、成功や失敗を体験する中で学ぶことは非常に多い。「成功したら君の成果、失敗したら私の責任」と思い切って任せ、挑戦させてあげることは最高の教育である。私どもの会社は“人づくりの南富士”として、レベルの高い人づくりを行なっていきたい。

良い人財を育てるには
 中国における当社の人財育成拠点・武漢分公司の総経理に、「良い人財を育てるポイント」を聞いてみた。
Q.良い人財を育てるには?
A.「選抜」がすべて。“素材”が良くなければ美味しい料理ができないように、素質ある人財を見つけ出すことがすべて。
Q.良い“素材”が集まる理由は?
A.良い素材は“魅力あるところ”に集まる。会社の魅力=社員の魅力。「一緒に働きたい」と思わせる社員がいるかどうか。

想いを行動に
 8月18日のM-netを読んだある人から感想が届いた。
『私は、病中の母が意識が朦朧としながらも苦しそうにしているのを見た時、ただただ心配し見守っていただけでした。代わりに私の弟は、手を握って声をかけたり背中をさすってあげたりし、心配を行動で示していました。
 想いは一緒でも、「見ているだけの自分」と「行動で示す弟」との差の大きさを強く感じます。亡くなった母に申し訳なく思っています。この反省をこれからの仕事・生活に生かす事を、「母への供養」とします。』