2012-07-28

M-net 2012-07-28

企業の価値
 一橋大学のI教授とお会いし、お話させていただいた。I教授の専門は会計学や企業戦略であり、大学で教える以外にも幅広く活動されている。日本を代表する大手企業で経営層向けの教育をおこなっていたり、社外取締役を務めたり(それも1社でなく多数)、アジアの国のエリートへ教育したり…大変多忙な方である。そんな教授がなぜ時間をとってくださったのか聞いてみたところ、
 「南富士のことは、八角形住宅の頃から知っていました。特徴ある会社だと思っていたところ、貴社の社員から手紙が届き、お会いしてみたら本当だった。本業の屋根工事をきちんとやりながら、中国で無料で人を育てるなんてことをやっている人を、これまで見たことがないし、これからもいないと思います。全力で応援します」との事。
 以前お会いした時には、「南富士は、新しい価値を創造する開拓者のような会社だ」とのお言葉をいただき、常に道なき道を進んできた我が社にとって、心から嬉しく、大変ありがたい事である。素晴らしい人との出会いを大切に、これからも新しい挑戦をしていきたい。

誰とつきあうかで人を見る
 先日、ある大学院のMBAで講義を行った際、一人の若い社長と出会った。
「当社の中国事業について一度相談させてもらえませんか?」との事。
 後日訪問させていただいたところ、社長と、社長のおじいさんにあたる会長がお見えになった。こちらがひととおり話し終えると、それまで黙っていた会長が口を開いた。「孫が、私に会わせたい人がいると言うので、今日はとても楽しみにしていました。どんな人と付き合うかでその人が分かるもの。杉山さんにお会いし、孫の成長を感じてうれしく思います。」
 「長年経営に携わってきて、“欲”と“おごり”は絶対にいけない。必ずそれで失敗しました。」・・・的確で、重みのあるお話を聞かせていただき、こちらも身の引き締まる思いである。目標があるからこそ、人生に張りが出てくる。私たちに協力できることがあれば、ぜひ力になりたい。

南富士・教育全集
 当社の経営理念は“人づくり”である。「根を養えば木は自ら育つ」という考えのもと、教育をすべての業務に優先している。その教育の際に使用する資料を、テーマごとに整理し『南富士・教育全集』をつくってみた。
 1.人間力
 2.新入社員として
 3.グループリーダーとして
 4.経営幹部として
 5.経営トップとして
 6.危機対応
 7.問題社員の対処法
 8.グローバルリーダーとして
 日頃の積み重ねがあるからこそ、いざというときに大きな事ができる。資料をつくるには多少の手間がかかるが、小差が大差であり、大きな財産となる。

2012-07-18

M-net 2012-07-18

魅力ある人(一流の人)
 近頃、大手企業の経営トップとお話させていただく機会が多い。皆さんに共通していることをまとめてみた。
 ●「顔」…おおらかで聡明
 ●「考え方の出発点」…社会・相手が求めるもの
 ●「目線」…高い。全体を見ている。
 ●「話」…本質的な話が多い
 ●「人と接する態度」…飾らない。   「この人だ!」と思った相手は、とことん信じる。
 ●「人としての器(愛)」…器が大きい
   常にこの通りとはいかなくとも、近づくように日頃から努力していきたい。

講演会
 最近、講演会・セミナーの依頼が急増しており、企業や銀行、大学など、毎週のように予定が入っている。ちなみにテーマを挙げてみると、
・「21世紀の中国~魅力ある人間、社員とは~」
・「南富士の中国ビジネスと人財育成の軌跡」
・「頭脳新時代 ~21世紀は中国・アジアの時代~」
・「我が社の経営戦略」
・「中国・アジア化に対応する日本企業の進む道」・・・
 なぜ今、セミナーや講演がこんなに多いのだろう?おそらく、皆が悩んでいるという現れではないだろうか・・・。講演やセミナーに参加し違った角度から意見を聞くことで、何か新しいやヒントを得ようとしているのだと思う。
 社会の変化は予想以上に早く、自身もスピードをもって対応しなければ手遅れになってしまう。これからは自前主義だけでなく、外部の力も柔軟に使って新しい道を拓いていくことが必要である。

時代が求める「T型人財」
 先日お会いしたT社のN会長と、時代が求める人物像について話が盛り上がった。
 「今は、高い専門性はあっても幅のせまい人が多く、世界を広く見たり、考えたりすることが苦手。しかしこれからは製造側の発想(ものづくり)だけでなく、マーケット側の視点に立った発想(ことづくり)ができる人材が必要だ」
 私は日頃、「T型人財」と言って、縦にのびる深い専門(|)と、横に広がる人としての幅(―)の両方を備えた人づくりをしている。会長と意見がまったく同じであった。これからの時代は、専門性と全体観のあるバランスの良い人財が求められている。

2012-07-08

M-net 2012-07-08

新刊 『社長、その人材で世界と戦えますか?』
 ここ数カ月、中国・アジアに関する本をまとめており、このほどようやく完成した。7月13日、全国の書店で発売です。前回の著書『これからの中国ビジネス』を執筆したのが2005年。中国・アジアビジネスへの関心が高まる中、新しい本を書こうと思っていたのだが、あまりにも変化が激しくて書けずにいた。ここへきて中国の状況が一段落つき、筆を執ることができた。
 中国・アジアとの向き合い方についてはいろいろな見方・考え方があり、この本もそのひとつである。賛同、異論・反論、多様な意見があると思うが、そこからさらに新しいものが生まれていけば何よりである。今回出版のきっかけをつくってくださったイースト・プレスの小林社長、大きな力を貸してくださった編集者・営業担当の方々、書評を寄せてくださった坂本光司教授…たくさんの協力があって一冊の本が出来上がった。心より感謝しています。

自動車の国際戦略
 先日、某自動車メーカーの一次下請会社の社長と話をさせていただいた。自動車業界は、4-5年前から世界規模での大きな戦略を立て、それをもとに長期的かつスピーディーに動いているとの事。
 下請企業が求められるものも一変した。以前はメーカーの言う通りに製品を作っていればよかったが、今では世界を舞台に海外の部品メーカーと競争し、真に力のある者が仕事を勝ち取る時代になった。世界をリードする自動車産業の動きに習い、我々も世界を視野にした長期的・多角的・戦略的な行動が必要である。

書くことは 『ゴール』でなく『スタート』
 文章の上手なAさんがいる。ところがAさん、文章は良くても、その後の行動が伴っていない…。なぜだろうか?私が文章を書く時は、それが“スタート”だと思っている。書くことは、「今からやる」ということである。Aさんはその逆で、「書いたら終わり」である。書くことが“ゴール”になってしまっていて、行動は以前と何も変わらない。
 思うこと、考えること、言うこと、書くことは誰にでもできる。そこから実際に行動しなければ、せっかくの気づきも水の泡である。自分の考えを書いてまとめたら、それを実行し成長していきましょう。