2003-08-08

M-net 2003-08-08

「読む」と「見る(目を通す)」

 ある資料がある。A君にこの資料を読んで下さいと指示する。
 ある資料がある。B君にこの資料を見ておいて下さいと指示する。
 同じような言葉であり、同じような意味であると思うが、全然違う。
 A君にはこの資料をよーく読み、文章の裏や奥にある意味を読み取ってもらい、二人でディスカッションしたいと思っていた。
 B君には参考程度、勉強になるからさっと目を通し、不要なら処分してもいいと思い、見ておいて下さいと指示した。

 TVは見ると言い、読むとは言わないが、新聞や雑誌は読むとも、見るとも言う。
 読むとは内容を理解したり、悟る事を意味する。見るとは眺めたり目で認める事である。
 中には資料や書類を読まないで叱られたり、大切でない資料や書類を多くの時間をかけて読み、無駄な事だと叱られたりして、何がなんだか分からなくなってしまう人もいる。「読む」と「見る」の違いについて記したが、同じようで全然違うこともあれば、違うようで同じ事もある。

 自己中心や自分の価値観だけで判断するだけでなく、チョット相手の立場になって考えてみるとミスもなくなり、無駄も省けて、効率も良く、相手からも高く評価される。ほんのチョットの差が大差となる。


優良企業

 しばらく前に「優良工務店とは何か」と言う講演をした。
 一通り話をして、質疑応答の時間にある人が「話はよく分かったが、一言で言えば優良企業とは何ですか?」との事。どの企業経営者でも「この機械を導入すれば、生産力が3倍になる」「この土地、株を買えば必ず値上がりする」…など、目に見える投資は即実行する。しかし、素晴らしい経営者は「人材の育成」「技術の蓄積」「環境への配慮」「ソフトの開発」など、目に見えないものへの投資をしている。この差が企業間格差となり、今は同じ企業でも将来大差となって表れてくる。目に見えないものへの投資を利益の中からどれだけやっているか否かで決まってしまう…と言う風に話をした。

 今時代は、目に見える差別化をするのは非常に難しいが、人の差やソフト、サービスなど、目に見えない差別化が注目され、企業の優劣を決めている。企業だけでなく人間にも当てはまり、見えない、形にならない差が人の差となって来ている。少しの時間と少しのお金を自分自身の為に投資したい。そして「魅力ある人」となりたい。