2012-06-28

M-net 2012-06-28

味噌汁のつくり方
 英語を勉強している学生から、イギリス留学中のエピソードを聞いた。「私は英語が少し話せるので、現地でのコミュニケーションには不自由せずに生活していました。でもある日、イギリス人に“味噌汁のつくり方”を聞かれ、答えることができませんでした。英語が分からなかったからではありません。英語は話せても、味噌汁のつくり方を知らなかったのです。結局、言葉は手段でしかなく、“中身”が大事なのだと、その時強く思い知らされました…。」
 急速にグローバル化が進む中で、英語力が重視されがちだが、英語が話せることが“グローバル”ではない。一歩外に出れば、多様な価値観・文化の世界である。自分とは異なる人々を巻き込んでいくには、幅広い知識や積み重ねてきた経験など、その人自身の「中身」が問われる。本質勝負の時代がやってきている。

「分かる」のに「分からない」
 就職活動中の学生から、こんな質問を受けた。
「企業の面接でいろいろな話を聞きます。最後に「分かりますか?」と聞かれ、「分かります」と答えるのですが、面接官からは「君は分からないだろうね」といつも言われます。一体なぜでしょうか…?」
 これを読んでいるあなたは、なぜだと思いますか?トップが聞く「分かるか?」は、「できるか?」の意味である。おそらく彼は、その時の顔つきや話しぶり、態度から、「できない」と思われてしまうのだろう…。いくら頭では分かったつもりでいても、やっていることが違っていればそれは分かっていないのと同じである。話が分かる人でなく、「実行できる人」が今求められている。

気づいて活用
 今、日本・中国・アジアをまたがる壮大な計画を立てている。この計画書を二人の人に見せたところ・・・
Aさん:ただ読むだけ。書いてあることを表面的にしか捉えられない。
Bさん:「この計画に、私の上司を参加させてもらえませんか?」と、即座に自分の仕事と組み合わせて活用。「上司がいつも“これからは中国・アジアだ!”と言っているもので…」。
 日頃から幅広い知識を得、何か活用できるものはないかと探していればチャンスに気づくことができる。問題意識のアンテナがなければ、どんな情報にも気づかず、ただ通り過ぎていってしまう。今は社会が激変し、誰にも先が分からない時代である。こんな時こそいろいろな人から幅広く話を聞き、それらを組み合わせて活用していくことに新しい道がある。そのすべての原点となるのは「気づき」である。