2011-08-28

M-net 2011-08-28

京都大学MBAでの講演
 8月20日(土)、京都大学MBAにて、特別講演の講師を務めさせていただいた。テーマは『中国トップ1%層の視点と動向~中国36年の実践を通して~』。 講演を企画してくださったO副学長をはじめ、教授、大学院生、社会人OBなど、夏休み中にもかかわらず50名くらいの方にお集まりいただいた。
 京大といえば、東大と共に日本のトップに位置する大学である。そこで日本のこれからについて話し合った。講義が1時間、質疑応答が1時間である。私は中国をはじめとするアジア全土で、人づくりを長年続けている。ここ日本でも人づくりに協力することができ、大変光栄に思う。

勉強しない怖さ
 世間がお盆休みをとっている中、ある経済雑誌の編集者の方にお会いした。「少子化、原発問題、デフレ・・・厳しい日本を出ていく企業が後を絶たない。一方で、新興国でうまくいっている日本企業は少ない…。この状況をどう思われますか?」
 彼からの質問に答えるべく、今までやってきた中国での人づくり活動や、現在おこなっているトップリーダー育成と、その“頭脳人財”による経営支援、また京都大学での講演の話など2時間にわたり話をした。世界から見た日本の厳しさ、そして日本と中国のトップ大学の差にとても驚かれていた。
 経済雑誌の編集者という職業上、幅広い勉強をされている方であった。だからこそ、今の日本がおかれている状況に強い危機感を抱き、どうにかしなければと自ら動いている。だが一方、肝心の若者は目の前の豊かな生活に満足し、内を向いたまま外の世界を知らず、危機意識もない…。「知らないこと」「気づかないこと」の恐ろしさを改めて感じる。世の中が激しく変化している今、広い視野を持って勉強していないと、あっという間に取り残されてしまう。

反応
 企業の経営トップに向け、毎月1回情報発信をしているAさん。3回行ったが、反応が全くない…。なぜだろう?一番大きな原因は、本質にせまっていない事である。日本は今、東日本大震災による原発問題や円高、少子高齢化など数々の問題を抱え、企業のトップはこの先どうしてやっていったらいいのか、道なき道を模索している。強い危機意識を持ち、貪欲に情報を求めている中で、自分のアンテナにひっかかるものがあれば必ず反応するはずである。
 世の中が求めている“情報”や“素材”を自分が持っているとき、それを発信しても何の反応もないのは、発信する側に何らかの問題がある。内容が十分でないのか、方法が悪くて相手に届いていないのか…。自分目線でなく相手の立場・目線で問題を捉え、相手が求める“本質”をつくことが重要である。