2008-11-08

M-net 2008-11-08

「みなさん」では動かない

 2ヶ月程前、ある困った事が起き、解決方法として社員に協力してもらう事にした。 多くの社員を集めて事情を説明した。 そして「みなさん、協力してください。お願いします。」と。 一体どれだけの人が動いてくれるだろうかと期待して待っていた。 ところが、1ヶ月たっても誰からの報告もない。 そこでもう一度彼らを集め、改めてお願いをして、もう1ヶ月待ってみたが、残念ながらまたも報告はゼロ…。 さすがに再び彼らを集める気にはなれず、今度は幹部社員一人一人と話しをした上で同じ事をお願いしたところ、彼らはようやく自分への問題として受け止め、動き出してくれたようである。
 やはり「みなさん」では誰も動かない。 「誰かがやるだろう…。」 逆に同じ内容であっても、顔の見える個人への直接の語りかけは、心が通じ成果もでる。 仕事も教育も同じであるが「まとめて」 「大人数で」は効率は良いが成果はゼロである。 手抜きをせず、時間とエネルギーを惜しまずに「Face to Face」でなければダメな事を知った。


指示が無くても動ける人

 先日、私の元へ1人の学生Y君が訪ねて来た。 彼は企画や経営に興味があり、それについて勉強したいと大学の教授に相談したところ南富士を紹介してもらった。 話を聞いてみると、自分のやりたい事に対する意欲だけはあるが、服装や言葉遣いをはじめとする考え方がまったく学生そのものである。 これではダメだと思った私は、ちょうど中国から来ていたGMCのQ君に「彼に少し教育をしてくれませんか」と頼んだ。 そしてY君に「Q君に英語で自己紹介してみてください」と話した所、シドロモドロ…。 英語が出来ないのである。 頭で分かっている事と、実際に体験する事では全然違う。 それでも私はY君に英語で自己紹介をさせた。
 これを聞いていたQ君は会話を止め、A4 1枚に学生と社会人の違いについて英語、中国語、イラストを使ってまとめてくれた。(約10分位である。) 目的さえ分かれば、細かい指示はいらない。 まさに「1を知って 10を知る」である。 言葉が通じなければ、文字やイラストで示し、コミュニケーションを計る。 方法転換、具体的な分かりやすい道具、スピード…完璧である。これを見ていたY君、「恥ずかしいです」の一言。 「これから頑張ってQさんのようになりたい。」これからが楽しみなY君。


「よく見る」とは

 Q君が作ったその資料の中に次のようなイラストがあったのだが、この意味が分かるだろうか。
 これは「モノの見方」について説明したものである。 私は普段より、基礎力の一つに「よく見る」という事を言っている。 私たちは普段多くの物を目にするが、それをただ見ていても「よく見る」事にはならない。 ひとつの物事を様々な角度から捉え、その本質を見極める事が本当の意味での「よく見る」事なのである。