2008-07-28

M-net 2008-07-28

一万人の社員

一つの工場で働く従業員が一万人の工場を2つ見せていただき、トップと話をさせて頂いた。
一番苦労し、大変なのが労務管理との事である。食事1つにしても大食堂が3つあり、1つの食堂で1回に1500人の人がズラーっと並んで、同時に食べる。「特にこの頃の若い人は何を考えているのか、理解がしにくい…。例えば“茶髪と携帯電話”の行動は把握が難しい…。」と言う。
私はそこのトップに下記の4つの事が大切であると話した。
① 現場の正しい生の声(上には生の声が届かない)
② 時代に合った判断(いつも従来通りではダメである)
③ 小グループリーダーの育成(教育の重要さ)
④ 全員を引っ張る「導き」つまりトップの夢、人間力
一万人の若い人たちを引っ張っていくのは誰がやっても大変であるが、大変と思わず、人を育て、導く事を楽しみながら出来る人が求められる。勿論トップ一人では限界があるので、優秀な幹部スタッフが求められるから、GMCの働く場は無数にある。
四川大地震のような天災は避けられないが、経営リスクは人の頭脳によってリスクヘッジ出来る。頭脳を活かす経営をするかどうかはトップ次第であるが、GMCを頭脳として役立てて頂ければ嬉しい限りである。


優等生と野武士

最近、若い人に会うと、「優等生タイプ」が多く「野武士タイプ」が少ないように感じる。
「優等生タイプ」は、失敗しない為に常にテストの範囲を聞き、調べ、枠の中で考えて動く。失敗はないが魅力がなく、課題を突破できない。勉強の範囲外ではお手上げ。情熱もない。
一方、「野武士タイプ」はどこでも、誰とでも知的戦いをする。最初から答えは持たず、出た答えを多角的に活かす。機敏さを持ち、心も熱い。
若いからこそ出来る失敗がある。優等生タイプで今まで生きてきた人も、一度頭を空っぽにリセットして、野武士のように枠にとらわれず柔軟に生きてみると良いと思う。


退職時奨学金

先日、上海事務所で働いていたAさんが退職した。
その後事務所へ行くと、私宛の封筒が置いてあり、「杉山種まき奨学金への寄付」と書いてある。中には800元が入っていた。現地の大学新卒の月給が3000元前後であるから、本人にしてみるとかなりの金額であると思われる。
教えたり指示してはいないが、やっている事を見て各々が何かを感じ、自ら学んでいく。教育は言葉ではなく、やってみせる事が大切であると改めて感じた。自分が続けてきた奨学金が、このような行動を、しかも退職時にとれる人の育成に役立っている。大変嬉しい限りである。