2008-07-18

M-net 2008-07-18

漁師は短気なほど良い?

知人の弟Aさんが、魚釣りとダイビング好きな事から脱サラして漁師になった。
そのAさんは、「魚釣りは魚がくるのをじっと待っていなければならないから短気な人は駄目だとよく言われるが、私は短気な方が良いと思う。釣れなければ場所を変えたり、竿を変えたり、どんどん工夫して変えていけるから。例えば…」と言って、通常の漁業では探知機を使って魚のいる場所を発見するところ、自ら潜って魚がいるかいないか、どの辺りにいるかと言うのを調べ、魚がいればそこで釣りをし、いなければすぐに別の場所に移るとか、竿を何種類も用意して1つの竿が駄目ならどんどん使い分けるとか、色んな工夫について教えてくれたとの事。

ただ待っているのでなく、自ら正確な情報をつかみに行き、効率的に収穫を得ているAさん。正確な情報を得ることは魚釣りでも経営でも大事なことであると感じた。経営者も、現場や市場の正確な情報を待っているだけでなく、自ら積極的に取得し、どんどんトライ&エラーを繰り返していかなければならない。


見識

いつもお世話になっているK氏が当社に訪問され、自宅に招待した。
K氏はある企業の役員であり、常に10年先を見て仕事をする経営者感覚のある人である。
ダイニングテーブルに座って家内がお茶をだすと「これは良い器ですねぇ。どこで求められたのですか?」と益子の茶器の話に花が咲いた。その後も私の家庭菜園を見て意見を頂くなど、幅広い興味と見識に驚かされた。
K氏が帰った後、家内は「男性の来客で最初に器に気づいて褒めたのは初めてでは?」と言う。
目先の事や自分の用件のみに気をとらわれている人が多いが、器に気づいて褒めるのも、色々な事に興味を持つのも、心の余裕と幅広い見識がないと出来ない。そしてそれは、目先の業務だけでなく10年先の経営を考える中長期的な視点を生んでいると思う。リーダーとなるものには心のゆとりと見識が必要だと感じた。


ユダヤ人

先日、経営者向けの講演を行った後、ある人が挙手して発言をされた。
「私は長年ユダヤ人と仕事をして来たが、杉山先生はまさにユダヤ人と同じような考え方です。日本人は日本が祖国ですが、ユダヤ人は世界中、どこへでも行って、そこでビジネスがあって住めれば祖国であり、世界中が祖国なのです。そして“掛け算”と言う考え方も通じるものがあります。日本では1人+1人=2人だが、ユダヤ人は自分の5倍力がある人と組んで、5×5×1人=25人と、掛け算方式です。久しぶりにこのような人に会いました」との事。
ユダヤ人のようだと言って頂いたのは初めてであるが、改めて世の中には色んな人がいて色んな感じ方をすると思った。やはり人と出会う事は人生の中の楽しみである。