2008-05-18

M-net 2008-05-18

中国での地震

5月12日、中国の四川省で大地震が起こった。
亡くなられた多くの方には心からお悔やみ申し上げます。
その時、私も中国の山東省にある山東大学にて授業を行っており、建物の揺れを感じた。地震であるとは分かったが、すぐに地震速報を得られる日本とは違い、なかなか地震の情報が来ない。どんな地震なのか?震源は?規模は?…
そのうち、当社の上海や武漢の事務所からの情報が来て、四川省で起きた事、武漢の事務所も揺れたので一時17階から階段で皆避難し、周りが騒然となった事、などを聞いた。
日本にいると、待っていても色んな所から情報が入ってくるが、一歩国外に出ると、自分から取りに行かなければ情報が得られないと痛感した。グローバル社会の中で、的確な情報をタイムリーに得て、それを活用できる人材が活躍出来る。全てにおいて「待ち」では何も生まない。


失って初めて分かる事

先日の中国出張最終日の事。連日早朝から夜中までフルに動き、最後に上海の社員教育を終えて、翌朝の帰国便に備えて事務所を後にした。夜の10時過ぎである。
ホテルへ帰ろうと歩いていたら、向こうからどこかで見た顔の人が歩いてくる。すると、その相手も私に気づき、「杉山社長!お久しぶりです!お話したいです。」と走りよってきた。2年ほど前に辞めた元社員のTさんであった。ヘトヘトではあったが、元社員であるし、「どうしても話したい」と何か思いつめたような真剣なTさんをおいてはおけないので、それから夜中までディスカッションである。
Tさん曰く「南富士を辞めて民間企業で働いてから、どこの会社も“カネ、カネ”“儲かれば良い”ばかりで、南富士の時に社長が行っていたような“夢”なんて全く無い…。」
在職時は言ってもなかなか気づいてくれなかったが、彼女は失って初めて、「夢」「主体性」「チャンス」「夢のある会社」の価値を知ったようだ。しかし、もう自身の夢も見失って、目の前が真っ暗でどうして良いか分からない、助けてほしいとの事。目には涙を浮かべている。
失った時間は取り戻せないが、出来るだけ力になりたい。“気づく”事の大切さを改めて感じた。


慶應義塾大学での講義

先日、慶應義塾大学SFCの「現代技術と社会」の授業において、講義をさせて頂いた。授業の前に担当のT教授の研究室へ行くと、挨拶もそこそこに「面白いものがあるんです」と新しい発明品を見せてくれた。温度差で発電すると言う発電機で、保冷剤を置いて実際に発電してみると、プロペラが動き出す。資源高の今、世界中から注目を浴びているとの事。
今、世界で足りないのは「リーダー」と「資源」であり、この技術は資源のない日本で生み出された素晴らしい知恵の結晶である。