2006-12-28

M-net 2006-12-28

教育

 中国で日系企業H社から社員教育(特に幹部教育)を依頼された。午前中は日本人幹部10名位である。あまりパッとせず、元気がない。途中で「今回の教育、研修で変化や成長が見られない幹部は降格もOKする権限を頂いていますので…念の為に」と話した所、全員の聞く態度や目つきが大きく変わってきた。
 午後は中国人幹部30名位である。最初は「俺には関係ない…」「何が教育だ…」と言う雰囲気であった。教育というと機械の使い方や生産マニュアルなどのテクニック的な教育だと思っているようであった。私の教育は技術論ではなく、国際的企業としての基本的な考え方などの基礎教育や、社会人としての最低限のマナーである。

 「1.会社とは誰のものか」
 「2.会社とは」
 「3.利益の分配」
 「4.マナー」
 「5.社風・企業文化づくり」
 「6.頭の国際化」

など1時間位話をし、この「1~6までをベースに教育をしますので、反論、異論や納得のいかない方は発言して下さい。後からは一切受け付けませんので…」と条件をつけた。「日本が出資している会社ではありますが、皆さんの会社なのです。皆さんと一緒に良い会社をつくる為に私は日本からやってきました。私も30年前から中国にやってきて、中国の良い所や問題点を皆さん以上に知っているし、体験もしています。今日からスタートです。」と言うと中国人幹部の目は輝き、雰囲気はガラッと一変してきた。

 2時間位の話が終わると、質問や発言がいっぱい出た。2時間前の厳しい顔から、イキイキとした笑顔や態度になってきた。近くにいた現地社長が私に言った。「こんなにイキイキとした中国人幹部は見たことがない。質問なんかも初めてだ…。」この30名近い幹部の意識改革によって、新しい会社づくりのスタートが切れたように思えた。来月彼等と会うのが楽しみである。
 「教育とは?」教える事でなく、育てる事(つまりチャンスを与えて、気づかせる事)であると実感した。


酒のない忘年会

 当社の上海事務所(子会社)の忘年会に参加した。35名全員の出席であった。
 元々中国では忘年会は無い。「今年一年間の嫌な事を忘れ、新しい年に向かって希望や夢を持つ…忘年会とはこんな意味がある。」こんな挨拶をした。
 乾杯はジュースである。まず最初に司会の総務の女性が全員にメモと封筒を渡し「自分の夢を書いて下さい。個人的でも、会社の事でも…個人名は要りません」食事(洋食)が終わってこの封筒の一部を司会者が読む。読むたびに座が和み、これはあなたの文章だ…などと大はしゃぎ。
 そしてくじ引き(3等10人、2等2人、1等1人)で賞品を当てる。1等はふとんであった。みんながジュースやお茶を持ってそれぞれの席を回り、乾杯をする。楽しい2時間であった。お酒の一滴もない忘年会は勿論初めてであった。