2006-03-08

M-net 2006-03-08

思考の浅さ、深さ

 質問1つで、その人の考え方、思考の深さなどが分かる。
 日本の学生と話をしていると、ただ彼(彼女)が知らなくて聞きたいことを質問される事が多い。例えば、「その部署の社員は何名ですか?」「八角形住宅は何棟くらい建っていますか?」これは質問と言うより、ただの疑問である。

 一方、中国の学生に講義をしていると、自分で答えを持っていながら何らかの意図、例えば「こんな質問を投げてこの先生の実力を試してみよう」「自分の考えと同じかどうか確かめよう」などの思惑を持って質問する学生が多い。

 あるGMCの学生は私にこんな質問をした。「私たちはGMCを無料で受講し、勉強をさせて頂いているが、もし勉強をした後に御社と関わりの無い欧米の企業などに就職をしたらどうしますか?」私は咄嗟にその質問をした学生に「君が社長だったらどう対応しますか?」と逆に聞いてみた。彼は即座に、「GMCにいると私たちが普通では逆立ちをしても得られないようなチャンスがあるなら、誰もどこにも行きません。私が社長ならそんなチャンスを与え続けます」と答えた。私は「正解である。私もそう思うし、君達にチャンスを与え続けます」

 質問一つで、彼の考える能力が分かるし、彼はチャンスを得る。戦略的に質問が出来るように、若いうちから物事を深く見て考えるトレーニングをする事が必要である。中国の社員が「日本の学生は“not deep”」とレポートで書いた事を題材に作ったイラストがある。普段、思考が“not deep”に癖付けされていませんか?絵を見ながら普段の言動について考えてみてください。