2005-11-28

M-net 2005-11-28

チャンス

① ある若者(M君)に大きなチャンスを与えた。
彼は期待と不安をかかえながら、新しいチャンスに挑戦する事になる。
私はM君に「大きなチャンスだから、様々なアイディアを出しながら、失敗を恐れずに思い切って挑戦して下さい。失敗したら私が責任を取るから大丈夫だ!」と話した。
私の隣にいた先輩のR君が一言。
「チャンスとは舞台が準備され、君はその舞台の上に、今まさに立とうとしている。しかし観客(取り巻く人々、得意先、上司、部下、仲間達、その他)は冷ややかに君の一挙一動を見ている。まずい事があれば信用を失い、全てがダメになってしまう。今君に出来る事は、身なりを正し、整理整頓をし、約束を守る事。そして分からない事は皆の見えない時間(夜や休日、昼休み)にその知識を学ばなければ、あいつはダメだと烙印を押されてしまう。チャンスを活かすも殺すも君次第…」
 R君は自分自身の体験を中心に話してくれ、話が実例で具体的で分かりやすい。彼は納得し、顔が緊張している。

 新しい事に挑戦する時、それを決断するトップ、実際に挑戦する担当者、そしてそれを補佐する人、皆が心を一つにして初めて成功につながっていく。
 舞台にたとえるなら、ストーリーを書く作家、演出家、演じる役者、裏方など多くの人の協力を得て一つのドラマが成立する。しかしそれが成功するか否かの判断は当事者でなく、劇を観ている観客が決めていく。新しい挑戦は自己満足だけでなく、相手や、会社がどう見ているかの客観性も求められる。そして、何よりも数字で結果を出さなくてはならない。

② 上記のチャンスの話を、今私が東京で教えている優秀な数人の日本の若者に話しをした。
 やりたい、挑戦したいと言葉では言うが、いざ決断となると様々な問題を出して結論を出さない、出せない。
 つまり豊かな社会で育っていると冒険が出来なくなってしまう。失敗を恐れどうしても尻ごみしてしまい、臆病になってしまうような気がする。本人も周りも。
 判断は知識で出来るが、決断となると今持っている自分の全てで決めなければならない。もっとチャンスを活かした人生に挑戦してみるのも一つの生き方だと思う。
 従来のカラを破って、新しい挑戦を試みる人でありたい。