2004-10-28

M-net 2004-10-28

多弁

 Aさんと初めて会った。能弁と言うより、多弁家、活弁家である。
 あらゆる事をよくしゃべる。ミスや失点を見せまいと、又エネルギッシュに話す。
 こちらが疲れてしまうと言うより、むしろ嫌になってしまう…。
 話の途中で、「Aさん、あなたは今まで友人や周りの人に、もっとポイントを絞って話した方が良いのでは…と注意や意見された事は無いですか?」
Aさんはポカンとしていたが、しばらくして「全くありません」
「あなたは今まで自分と同じレベルの人とだけ話して来たのですね。そしてミスが出そうになったりすると、弱い所を隠す為にもっと多くを語り、自分をカバーして来たのですね…」

 アメリカでの話ですが、素晴らしい企画、提案が提言されたのに、リーダーはその人の提言に対して「No」であった。私はそのリーダーに、「素晴らしい提案なのに、なぜダメなのですか?」と聞くと、リーダーの答えは「私は彼が嫌いだ」の一言。民主国家(?)アメリカでの話をAさんにしてやった。
 弱さやミスを隠すのではなく、もっと素直に自分を表現したらいかがですか?
 Aさんの目から涙が…。チョット、はっきり言い過ぎてしまった様だ。

 自分より優れた人や、一芸を持った人と接し、自分を磨いていきたいと私はつくづく思い、Aさんにもその事を話した。「Aさん、あなたは自分より優れた人と会っていないか、会っても相手の意見を無視してきてしまったのですね。世の中にはあなたより優れた人がいっぱいいます。もっと多くの出会いをした方が良いです…」Aさんは涙が止まらない。やっと気づいてくれたようだ。


本音

 某上場企業の社長と夕食を共にした。
 この社長は席につくなり、「南富士さんのHPの中の『中国人材紹介記事』はすごいですね。本業の住宅、屋根工事との関連は?…」
 最初からHPで当社の事を勉強してきている上に、質問が核心をついてくる。初対面であるが本音の質問と直面する課題について経営談義である。
 後継者作り、資金、収益など、自社の問題や課題、対策などを本音で話し合った。
 2時間くらいであったが、充実した時間であった。
 一般論や検討しますなどの総論は1つもなく、具体的で本質的な話が中心であった。
 同席した当社の幹部が「今日はすごい本音での話でしたね…」

 今時代が求めるものは「スピード」と、建前ではなく「本音」であると思う。経営に於いても事業に於いても、本質を語れる人が求められている。