2002-03-08

M-net 2002-03-08

中国上海レポート

3月上旬に中国の上海へ出張に行った。激変する上海に於いて、最も印象に残った3点について書いてみたい。

1. 品質
上海市内の合板、床材、ドアメーカー(上海森大木業)を視察した。
ビックリしたのがまず品質であり、日本に持ってきてもすぐ使える。WTOに加盟前後より品質が世界規準となってきている。
2種類(松材、カバ材)の天然合板(4×8×5.5m/m)、ドア(35m/m)、床材(1820×15×75)、巾木(モールディング)の4部材をセットでサンプルオーダーをした。近々入荷するが楽しみである。

2. 給与(コスト)格差
上記の企業は従業員1,000名で、総人件費が1ヶ月100万元との事であるので、1人当り1ヶ月1,000元(日本円で15,000円)である。社長から労働者までの合計であるので、現場作業員は1ヶ月800元(12,000円)。 
日本の企業では、TOPから一般社員までを平均すると最低30万/月額位あるので、20倍である。つまり同じものを、人を使って作った場合、中国/上海では日本の 1/20(5%)でできる計算となる。これでは勝負にならないし、日本の合板会社は今2社(以前は数百社)しか生き残っていない。それも特徴ある合板を作り、ほとんどが輸入合板である。他社や発展途上国がまねの出来ない差別化商品をつくるか、賃金の安い国に設備投資をしてそこでものを作るしかない。
言葉を変えると知恵や国際化(ボーダレス)時代である。

3. 中国の大卒初任給
当社の上海事務所や茶開発研究で中国の大学生が知恵を出して新規ビジネスを考えたり、お茶づくりの軽作業をしている。毎日最低1名以上が出勤し、学科は建築、経済、外国語、コンピューター学科などさまざまで、大学も中国の一流大学である。午後13~17時まで4時間で70元(1,100円)である。この学生達が金曜日の16時に全員集まり、ビジネス検討ミーティングを行う。司会を決め、迫力ある会議で2時間以上続く…。

このうち4年生数名が7月卒業で就職活動中である。大卒初任給が月額標準(?)で1,500元(2.5万円)、企画・管理のできる人で3,000元(5万円)コンピューターソフト開発ができる人は4,500元(7.5万円)。初任給から小差ではなく大差である。日本の大卒者(一律約20万前後)は何を思うか?
そして実力時代の到来であることを実感。