2012-10-08

M-net 2012-10-08

“教”と“育”
 先日、著名なK先生とお会いさせていただいた。北京大や清華大をはじめ、世界各国で講義活動をされていらっしゃる。ご自身で英訳された「武士道」をベースに、日本の文化・精神を“教えている”とのこと。一方、私が行なっている教育は“育てる”ことが中心である。若い人財にチャンスを与え、座学でなく実践を通して学ぶ。また、難しいことを難しいまま教えるのではなく、難しいことを易しく、分かりやすく伝えるようにしている。
 私の話を聞いたK先生は、「今まで、中国でやってきて大抵のことは知っていると思っていたが、こんな活動をしている人がいるなんてまったく知らなかった」と、たいへん驚いている様子。世の中にはいろいろな価値観があり、いろいろな人がいる。

“死”
 世界的に高く評価された日本映画「おくりびと」の原作者である納棺師の方のお話を伺った。納棺師とは、遺体を棺に納める仕事である。「動物は死を恐れない。死ぬことを知らないから何も怖がることなく、猪突猛進で全力前進できる。一方、人は死ぬことを恐れる。だから“神のもとへ帰る”と考えて、その恐怖から逃れようとする。
 人は亡くなるととても安らかな顔になる。それは、本来の“動物”へと戻っていくからである…。」普段の生活において、知識や経験は役立つものである。だが、先行き不透明な時代には、これまでの知識や経験が逆に弊害となってしまう。固定概念はいらない。失敗を恐れずに挑戦することが、未来を拓く。

“国と国”から“人と人”へ
 日中問題をいかに乗り越えるか?

 日中関係がもっとも緊迫していた時期における当社中国社員の活動を紹介したM-net特別号(9月20日発行)に対し、大変多くの反響をいただいた。「複雑な時期にぶれることなく、日中の交流に尽力されていること、頭が下がります。報道に流されることなく、中国人の多くは平和を願い、良心を持っている事を忘れてはならないと思っています。貴重な情報提供有難うございました。」
 「こんな状態でも杉山さんのような活動されている人がいるのは非常に心強いことですね。」「貴重なレポート、このような日中関係において、誠に素晴らしいものだと存じます。これもひとえに、杉山社長の「人を育てる」お取組の成果かと存じます。しっかり心にとどめておきたいと思います。」
 今までは“国と国”の付き合いが主流であったが、これからは“人と人”の交流が新たな社会の流れになっていくように感じる。多様な価値観を持った人々が共存するグローバルな社会では、①理念の共有(or→and)、②大きな夢や目標、そして③リーダーが物事をどう考えるか、がポイントとなる。