2009-02-28

M-net 2009-02-28

攻めと守り

100年に一度の世界同時不況と言われている昨今である。
先日、某有名人とお会いした時に、「100年に一度」でなく、「1000年に一度」の、体験したことの無い恐慌だ…と話してくれた。恐慌とは、「生産と消費、需要と供給などの均衡が崩れて、経済界が混乱する事。パニックである」とある。
もちろん恐慌と言えども、人々の資産がゼロになったり、経済活動が無くなるわけではない。ただ、人々が先行きに不安を抱え、守りの姿勢に入っている今、従来のやり方や考え方では誰も見向きもしない。新しい価値観を示し、新しい需要を創造しなければならない。
こんな時、従来のように過去の経験や知識を用いたり、分析するだけではどうしようもない。
新しい発想や知恵が求められている。つまり、柔軟な発想と失敗を恐れない挑戦力が今、必要である。一人一人が「待ち」では駄目である。「攻め」に転じ、一歩を踏み出す事である。周りの企業を見回しても、業績が悪くなっていくのに「待ち」の姿勢を続け嘆くだけの多くの会社と、常に新しい「攻め」を展開して不況下でも伸びているほんの一握りの会社に分かれている気がする。
今までの成功体験を捨て、発想の転換を図り、1000年に一度の危機を、1000年に一度のチャンスへと変えるため、自分の仕事を「攻め」と「守り」に分類し、今日はどんな「攻め」が出来たか、今月は…?と、嘆いたり愚痴だけでなく、「行動」をしよう。チョット頭を使い、工夫や知恵を少し付け加えて。


中国人留学生

世界的な不況で新卒の内定取り消しなどが騒がれている今、学生向けの説明会を開催すると、以前にも増して多くの学生が来る。その中で、中国人の留学生も多い。
その留学生の殆どは、より良い待遇を求め大学院まで進学している。まだ2年前なら今よりは就職のチャンスもあったのに、「進学した事を本当に後悔しています」と声を揃えて言う。
こんな質問があった。「中国に帰っても就職がない。派遣社員でも日本に残った方が良いでしょうか。」彼ら留学生は「境界人」である。ネットワークを作るのに大事な大学時代を日本で過ごしたので中国で中国人として働くには人的ネットワークがなく、また日本でも日本人と全く同じようにはなりきれない。中国人としても日本人としても中途半端な彼らは、就職に当たってその現実に直面する。
よほどの特徴が無いと就職は厳しいだろう。しかし、彼らは非常にたくましい。説明会が終わると皆、「名刺を下さい。」と私の所へやってくる。ちょうど手持ちが無かったので「今持っていない」と言うと、「いや社長さん、一枚くらいどこかにあるでしょう。是非下さい。チャンスが欲しいんです。」と簡単には引き下がらない。大国中国に育ち、「チャンスは待っていても来ない、自分でつかむ」という意欲と情熱にあふれ、情熱だけでなく行動する。
これを見てビックリするのは日本人学生。「自分はテストや自己PRなどの与えられるチャンス以外には自ら動こうとしなかったが、中国人留学生はチャンスを得ようと行動し、断られても諦めない。この差に気づかされた。」とショックを受けていた。
就職活動中の学生さんは厳しい状況だと思うが、色々な事を考える一つの機会でもある。自分には何が出来るか、特徴は何かよく考え、自らチャンスをつかめるよう頑張って欲しい。