2008-12-18

M-net 2008-12-18

情報格差

先週、中国をまわっていてビックリした事が3つある。

1.情報のある所と情報の全くない所では大きな格差が生まれている。
2.同じ情報を聞いても、反応のある人とない人では大きな格差が出る。
3.情報にどう対応したら良いか、なかなか回答が見つからない場合…

① 中国の東北地方や内陸部では、今回の金融パニックについて全く情報がない。あるいは、情報があるのに気づいていないのかも知れない。又は、私達には関係ないと思っているのか…。
   しかし北京では全然違う。多くの知識人、市民が関心を持っている。
情報格差を実感した。
情報がない事にはすべてに於いて対応が出来ない。
② ある大学で学生部長と大学のトップに同じ話をした。「目前に迫った金融津波対応策」という内容の講演を北京の清華大学でやります、と。
学生部長は反応ゼロ。大学のトップはその話を聞くや否や即「私達の大学でも12月に講演してほしい。お願いします。」と言い、携帯電話を取り出しその場で大学事務局に指示をする。ものすごく早い決断とスピーディーな対応力である。問題意識を持っているか否かである。この大学のトップは今回の金融津波の情報と危機意識を持っていたのだろう。
③ 私も当社も、昨年アメリカで起きたサブプライムローンに端を発した金融津波に本当のところどう対応したらいいのか分からない…。(当社の対応は前回のM-net2008-12-08号に記載)
   そんな折、中国のトップ大学である清華大学から講演の依頼がきた。「迫り来る金融津波への対応策について」…難しいテーマで講演のしようがないが、自社でやっている事を中心に話をした。
     1.世界では
     2.サブプライムローン(金融危機)とは
     3.南富士の戦略的対応
     4.対策 …

   要はMoneyCapitalからHumanCapitalに、お金中心から人が中心へと変わっていく…と話した。
   結局、大学の先生方もこの問題についてどう捉えどう対応したら良いのか分からないので、経営者の話を聞いて勉強しようという企画であった。
講演は教授たちに大変好評で、終了後、「よく解かりました。ありがとうございました。」と何人もの人からお礼の言葉をいただき、記念写真まで依頼された。
自分達が分からない事は、分かりそうな人から話を聞いて勉強する。それもタイムリーに。
さすが清華大学である。

「情報化時代」とか、企業は「人・モノ・金・情報」だとか言われているが、もう一度「情報」とは何か考えてみたい。情報は待っていても入ってこない。ネットワークや人脈、時にはお金、又時間も費やさなければ活きた情報は得られない。
そしてその情報を、仕事や生活にどう活かすかである。