2005-12-18

M-net 2005-12-18

人は育てる(T社中国版)

 T自動車は日本のトップ企業である。
 いまや世界のトップ企業と言う方が正しいかも知れない。
 どんな大学生の求人活動、入社前教育をしているか、中国の実例を話してみたい。
 まず中国全土の大学(1440大学)の中から15番以内のトップ大学にマトを絞り、優秀な学生を上から5名、10名(1学年1学科30名内外)と内定を出す。クラス、学科の18~30%である。毎年7月卒業であるので、前年の11月に採用、内定して9ヶ月間入社前研修を行う。企業理念や企業文化を中心として巾広く教育研修をする。ただ研修をするのではなく、勉強会に参加した学生には小遣い(日当)まで出している。すごいと言うか素晴らしい企業である。
 優秀な学生が集まってくるのは言うまでもない。採用する全ての学生に当てはまるかどうか分からないが、将来の幹部候補やエリートに対しては特別に育てている。
 私も中国で特別エリート学校「GMC」を行っているが、T社に負けないよう工夫して優秀な人材を育てていきたい。


暴走

 優秀な若いリーダーを育てている。一通りの知識を得、体験を通して成長し、リーダーとして育っていく。
途中で少し成功したり、ちやほやされると暴走してしまう人がいる。自分だけの力で成長し、大きくなったと錯覚してしまい、チャンスまで失ってしまう。

1. 出会いやチャンスに感謝できず、自分をよく見せようとする
2. 多くの人の指導や協力があった事を忘れてしまう
3. 全体が見えなくなり、目の前の事だけになってしまう
4. 組織やバックに存在する集団の力を、自分の実力と思い違いをする
5. 他人や周りの意見を聞けなくなり、自己中心的な言動となる

 車にも前進の為のアクセルがあると同時に、停止や一時駐車の為のブレーキがある。赤いランプがついたり、ブザーが鳴ったりして警告を発してくる。それに耳を貸さずに、目もくれないで前にだけ進もうとし、アクセルを思い切りふかせば暴走し自爆してしまう。

 行動や挑戦に失敗はつきものであるが、失敗が問題ではなく、耳を傾けなくなったり、周りを見ずに自己中心になってしまう事が大変恐ろしい。特にリーダーが暴走したら組織や企業は自滅してしまう。リーダーやトップになると私人から公人となっていく。人づくりで足りないリーダーも困るが、暴走するリーダーが最悪である。
 目が2つ(よく見て)、耳が2つ(よく聞く)、口が1つ(多弁不要)…人間はうまく出来ている。