2002-08-18

M-net 2002-08-18

マイナスもプラスに

 当社では元請企業として八角形住宅、フィンランド住宅を一般消費者(エンドユーザー)に販売している。一方ハウスメーカー、住宅会社の協力下請企業として屋根工事、外壁工事、樋板金工事を他の元請企業より受注を頂いている。言葉を変えると家を売ると言う同じ土俵の上で戦っている競争相手とも言えるが、八角形住宅やフィンランド住宅はニッチ市場で特定少数の方々に買って頂いているので、殆ど他のハウスメーカーと競合しない。

 こんな中で、当社の屋根外壁工事部門(総合外装事業部)のN部長は「住宅会社である当社は、一棟の受注を頂く為にどれだけの努力が必要かよーく知っている。挨拶や言葉づかい、マナーが悪ければ営業でどんなに努力しても実を結ばない。営業から設計、施工、職人、出入りするすべての人々の力を合わせて初めて一棟の受注になる。他の協力施工会社は与えられた仕事を処理して終わっているが、当社はその苦労、痛みを知り尽くしている企業であり、それが当社の特徴である。ハウスメーカーでもある事にプライドを持って協力施工会社として成長して行こう…」と、若い担当者を指導してくれている。

 ともすれば他のハウスメーカーに営業するに当たり、当社(自社)がハウスメーカーである事を隠したり触れないようにする中、敢えてマイナスをプラスに変えて営業トークとしている。地についた指導、教育をしてくれている。N部長に心から感謝したい。

1つの事実をどう見るか、考えるかによって答えは全く違ってくる。


親方Kさん

 当社では数百人の屋根・外壁職人さん達がこの暑い中、日中は40℃以上の暑さになる住宅の屋根の上で早朝より仕事をしている。先日一人の親方Kさんと話をした。Kさんは今も弟子二人を教育してくれている。私が「早朝と夕方に仕事を集中し、日中の暑い時は休憩しているのですか?」と聞くと、「そんな事をしたらダラダラ仕事になってしまい、弟子の教育にもならないし、自分もダラケテしまう。それに、もし弟子達が独立して一人前になった時、楽な方、楽な方に行ってしまう…。」と、先頭に立って朝8:00~夕方17:00まで午前中30分、午後30分の休憩と昼休み1時間以外はものすごい活力を持って仕事をしている。指導者として、プロとしての自覚、そしてそのエネルギーとパワーに感動し、この暑さにも負けない男の姿を見た。Kさんの指導した職人(弟子)達は今日も関東一円でたくましく働いてくれている。
 良い指導者に巡り合う事が、その時は厳しくても、それを活かし不況や暑さや環境に負けない人づくりになっている事を実感した。