2002-05-08

M-net 2002-05-08

時代

ゴールデンウィークに一通の手紙がO氏より届いた。O氏とは旧知の間柄であり、様々な議論を戦わした懐かしき旧友である。
手紙を開けてびっくり。彼が、勤めていた会社の代表取締役社長になったとの事。彼は会社の経営とか、数値などとは無縁の男であった。その彼が社長とは…。頭の中を様々な事柄が駆け巡っていく。自分なりに整理してみた。

企業を取り巻く経営環境の激動に伴い、従来からの戦略(人事、仕組み、商品コンセプト)や制度は相次いで寿命を迎え、機能不全に陥っている。そうした状況から抜け出すには精神力や努力、創意工夫で仕事のやり方を変えるといった「行動の修正(改善の積み重ね)」ではなく、仕組み、システムのあり方そのものを全面的に見直すと言った「変革、改革の断行」以外は生き残る、勝ち残る道がない事を物語っている。

「知らない事」や「常識のない事」「固定概念のない事」が最大の武器であり、素人の登用によって、変革を阻む常識やしがらみを乗り越えて、ゼロベースで変革を推進して行く。長年の経験と専門知識を武器とするプロから、洞察力や構築力に優れた素人をリーダーに登用していく時代なのかも知れない。いずれ近いうちにO氏に会って話をしたいが、彼の成功と奮闘を期待してやまない。


高齢化社会

ゴールデンウィーク中に私の実母(80歳で11年前に倒れ、右半身マヒ)を妻に代わって介護した。私の母も慣れない息子の介護ヘルプで大変であったと思うが、私にとっても悪戦苦闘であった。母にとって大変だと思われる事は、
①毎日の生活習慣が変わる事
②「もうチョット急いで」と言われる事
③頼る人間が従来と違う毎日…等々。

私の毎日の生活や仕事は、常に変化し、スピーディーに、そして誰に頼る事も出来ずに自らの責任で決定し、行動していく。全く母の生活とは逆の日々である。高齢化社会、在宅介護の時代を迎え、その一端を実行してみて、改めて妻に感謝をし、高齢化とは、在宅介護とは、ヘルパーとは、住宅とは、生活とは、親子とは、長寿とは……。様々な事を考えさせられた。

自分が病気だったり、余裕がないと、周りや他人に気を配る事が出来ずに、目の前の事だけになってしまい、結果として自己中心となる。又、生活もワンパターンで人間関係もギスギスしてしまう。車を運転して活動的だった母の昔を思い出しながら、「求めるだけの空しさ」「健康の大切さ」「相手の事を少しでも思い、考える事の尊さ」など日頃忘れがちな事を思い起こさせてもらった。
自分達もその仲間入りをしていく長寿社会は、健康な者が考える社会とはチョット違うように思えてきた。