2015-03-28

M-net 2015-03-28

Strong Point
 ある学生が、企業でのインターンシップをおこなった。日本の本社で1ヶ月間、社員と一緒に働き、良ければ採用という条件である。1ヶ月後、インターンシップ期間が終わり、責任者に話を聞いてみた。「英語もできるし、頭も良いが…」 最終的な結果はNOである。
 はっきりとした理由は分からないが、おそらく本人に特徴がなかったのだろう。例えば、「財務に強い」、「提案がどんどん出てくる」、「抜群の行動力」、「まわりの人が一緒に働きたくなるような人間的魅力」…など、誰にも負けないStrong Pointである。
 これからますます競争が激しい時代がやってくる。人も、企業も、特徴がなければ生き残れない。まずは絶対に負けないものを1つつくること。そして2つ、3つ…と増やしていきたい。

働き手の今
 日本の「働き手」が今、見えないところで大きく変化している。
◆就活中の大学生
 卒業を間近に控えた大学4年生曰く。「まわりの友達で就職が決まっているのはだいたい50%。残りの半分は決まっていないけれど、特にあせってないし、無理して働こうとする人はいません…」親元に住んでいるので生活には困らず、フリーターやバイトで自分のお小遣いを稼げばそれでいいという若者が大変多い…。豊かさの弊害である。
◆製造業
 団塊の世代が定年を迎えどんどん退職していくが、それを補うだけの若者が入ってこない。大学生は現場での仕事を敬遠し、給料は少なくてもいいから楽な仕事へ…。現場人材として高卒を採用していたが、今年はあまりにもレベルが低くて採用を中止。ほとんどの高校生が大学へ入学する今の時代、専門学校を選ぶ学生が減少し、技術を教える専門学校も激減。現場では今、人手が足りないだけでなく、このままでは次の世代への技術伝承も難しい…。
◆24時間対応の病院
 夜勤の医者が足りず、他に人もいないから…と高齢の院長が自ら出勤し担当している。この病院では、すべての診察記録をパソコンに入力しシステム管理しているのだが、院長はパソコンができないため、手書きのメモを残しておく。翌朝出勤した人たちは院長に代わって残った作業をしなければならない。現場からは大変な負担だとクレームが出ているという…。せっかく意欲があって活動しても、時代の変化や社会への対応ができていないとかえって周りの迷惑になってしまう…。

 少子化やIT化、働く人の価値観の変化…社会が大きく変化している事は事実である。一人一人が目的を持って働くことや、グローバルな人材の活用など、正解はないが、従来とは違った働き方が必要な時代である。