2006-07-18

M-net 2006-07-18

環境

 人間の形成は、天性30%、教育20%、環境50%と常々思っている。最も大切なことが環境であると思う。
 豊かな環境の中では人は甘く育ち、チョット厳しくなるとすぐに苦しさから逃げようとする。楽な仕事があれば人はそれを求め、もっと楽な仕事を求めていく…。

 GMCの学生たちも7月に入って一斉に中国国内の各企業の幹部としてスタートを切った。意欲ある優秀な若き幹部たちも、最初の一週間、二週間は目的を持ち、意欲も高く、自主的に提案したり問題提起していたが、少しずつ環境に順応し始めてしまう。そうすると、改革の為に入った幹部たちも夢や目標でなく目先の業務に追われ、現状に満足してしまう。

 今回も企業のトップから指摘を受け、即日その幹部達を呼び出して再教育をした。彼らもハッとして、知らぬ間に環境に順応している事に気づく。「今日から改めて目標を持ち挑戦していきます」と、意識変化して帰社していく。
 改めて環境の大切さを実感した。どんなに能力があり、意欲の高い人間でも、企業風土、企業文化と言う目に見えない環境に影響を受けてしまう。トップは改めて社内、グループ内の雰囲気、環境づくりに努力しなければ、有能な社員でも育てる事が難しいと感じた。


優秀なトップ二人

 二人の優秀なトップにお会いした。

一人は日本人でC社の中国での総経理Nさんである。まずサラリーマンでなく、日本の本社を向いていない。自分で考え、様々な工夫をし、しかもそれを毎月のようにチェンジしている。一例が「利益給」である。売上と回収を一体化した歩合給である。「基本給+利益給」で毎月給与が変動する仕掛けであり、スタッフの事務職員も利益給の一部を分配しているそうである。方針が明確で、部下がこれについて来ていて安定成長している企業である。

 もう一人はT社のZ副総経理(実質的な総経理)で30代の若き女性経営者。全くの素人が社内のトラブルを解決しながら企業を本来の姿に戻している。朝から晩まで、月曜日~土曜日まで全てを企業経営に打ち込んでいる。特に幹部社員(6名)に会社の立場で物を考えるよう日々指導している姿は素晴らしい。労働者一人一人の意欲を高める為の様々な政策も(詳しくは書けないが)立派である。
 この二人のトップに共通することは3つ。
①日本の親会社の社長から全幅の信頼を得ている。
②日々改良や改革を怠りなく実行しており、毎日が変化の連続であり、試行錯誤しな
  がら自分で考え、実践している。
③最後は、トップの人間力のような気がした。
部下は言っている事でなくやっている事を見ている。素晴らしいリーダーと出会えたと感謝している。