2005-05-28

M-net 2005-05-28

力を入れる所

 先日、ある試験に立ち会った。それは以下のような手順で流れていく。

1. まず全体のイメージをつかめるようなビデオを見る。
2. 会社の人事担当者が「会社の説明」と「求める人材」を説明する。
3. 受験者一人一人が1~2分の短い時間で自己PRをし、質問をする。
4. 人事の方が質問に答える。
5. ペーパーテストを行う。

私と一緒にこの試験に立ち会った19歳の女子学生Yさんが、私に感想を述べた。
受験者は1と5に全力投入するが、本来は3の自己PRに全エネルギーを投入すべきである。求める人材が分かっているのに、その事に応えず、自己中心的な事や事前に準備してきた頭の中にあるものを話す。一方、2の会社説明や求める人材の説明時にはメモを取り、あまり話を聞いていない。こんな受験への対応ではダメである。力を入れるところが全然違っている…と話してくれ、納得。


人間が決める

 この若い女子学生Yさんに、「なぜそんな若いのにそこまで分かるのか?」と質問をしてみた。
 彼女曰く。「私は中学時代、ものすごくヤンチャでワルであった。学校で何か問題が起これば必ず私の名前が出てくる…。早く中学を卒業してレベルが高く自由な高校に入学する為には、勉強しなければならない。一所懸命勉強し、成績はいつも学年10番以内であったのにも関わらず、通信簿はALL3である。納得がいかない毎日であった。勉強だけする為に、塾に通いもっと勉強をした。ある時、塾の先生に「こんなにテストの成績は良いのだから、通信簿もALL5だろう」と言われ、そうでない理由を説明した。塾の先生は「おまえは学校で何をしている」「私ははっきり自己主張し、先生の間違ったところはズケズケ指摘して、先生に嫌われています…」「先生が決定権を持っている。先生に反抗せず、仲良くし、一言で言えば“学校の先生に媚びろ”。最後は人が判断し、決定していく…」」

彼女はそれから学校の先生に反抗せず、分かっている事でも分からないから教えてくださいと素直な素振りで接し、通信簿はALL5となったとの事。中学時代テストがどんなに出来ても、成績は良くならない体験から、人間関係を重視し、誰が決定権を持っているか、テストは参考程度、力を入れる所を間違えたら全然違った方向に行ってしまう事を学んだ…との事である。

まず気づく事、そして行動を変えて行く事がいかに大切か。中学時代にこれに気づき、変革したYさんのレベルの高さを知った。