2005-08-18

M-net 2005-08-18

新疆ウイグル自治区カシュガル市

中国の中でどんな所に位置するか?東は天山山脈の山々やタクラマカン砂漠、西はタジキスタンなどの国境、南はパキスタンなど中央アジア諸国と接している、標高1400mの高原都市である。8月と言うのにひやっとする涼しさであり、紫外線が強く、目が痛い。

 上海から飛行機で5時間弱で省都ウルムチ市に着く。それから飛行機を乗り換えて約2時間で目的地である。人口の80%以上はウイグル族で、ほとんどがイスラム教で言葉もアラビア系ウイグル語が中心。中国語(漢語)は通じない。ウイグル料理は羊の肉中心の料理で脂っこくてなかなか口になじまない。ウイグル人は酒もタバコもやらず、歌ったり踊ったりするのが楽しみの明るい民族である

 お茶の新商品開発のために訪問したのであるが、現地でウイグル語を中国語に通訳する人を1日雇った。彼女は地元の師範大学を今年卒業し、将来は教師になりたいと言っていた。その彼女が「これから武漢市にある師範大学の大学院に入りたい…。」と希望を語った。彼女たちにとって、上海から1000kmの内陸都市武漢も夢の都市である。カシュガル市から武漢市まで電車でどの位かかりますか?との質問に、「4日間(96時間)かかります」

 スケールの大きさに言葉も出なかった。改めて意欲や夢の大切さも実感できた。


心温まるもてなし 

 上記のカシュガル市で地元の人が何を飲んでいるのか、どんなお茶を好んでいるかを調べている途中、タクシーに乗った。タクシーのドライバーに「花を栽培し、それをお茶にしている農家を探しているのでどこか知りませんか?」と尋ねた所、「良かったら私の家に来ませんか?」「花も栽培し、それを乾燥して花茶として家族みんなで飲んでいる」との事。車で10分位で彼の家に着く。両親(イスラム社会では年齢を聞くのは失礼に当たるので年齢は不明。見たところ80歳位に見えたが、実際は60歳代かもしれない)と妻と小さな子供の4人で私たちを笑顔いっぱいで迎えてくれた。嬉しい限りである。

 彼の家の裏の畑で花やりんご、プラム、ぶどうなどを栽培していた。彼のお父さんが得意になって案内してくれた。乾燥中の花茶も見せていただき、一通り案内していただいて帰ろうとしたとき、彼のお父さんが我々を家の中に入れてくれ、スイカを自らカットして我々に出してくれる。主食のナン(チョット固めだが3ヶ月位は長期保存できるとの事)スイカも甘くて大変美味しくナンも心が伝わる味で大満足である。それから自園、手作りの「黄色の花の茶」も出してくれ、飲めば注ぎ、飲めば注ぎ、おなかがいっぱいであった。何も土産を持ち合わせていなかったので、記念に写真を撮り後程心をこめてお送りしたい。

 言葉は十分に伝わらなくても、心や思いは伝わる。ましてや笑顔は言葉以上である。文化や価値観の違う外国人と接する時など、言葉だけに頼らずもっと全身で体当たりして行こう。
 心からのもてなしを受け、旅の最高の思い出であった。