2006-07-28

M-net 2006-07-28

活用して初めて活きる“情報、知識、お金”

 A君。問題や要望などがA君のもとに集まってくると、彼は自分の足で現状を調べ情報を集めてくる。しかしその集めた情報を十分に活用しているかと言うと…。どうもイマイチである。情報を集めただけで満足しているように思える。

 B君。よく本を読み、新聞にも目を通し、インターネットでも情報を集めて勉強はしているように見える。1つ1つの単品の知恵は持っているが、それを組み合わせたり、知識を知恵にチェンジしたりする事があまり見られない。勉強することで自己満足しているように見える。自分は知識がいっぱいあると思っているのか…?

 C君。日々の生活は切り詰め、質素に生活をしている。多分お金は貯めているように思えるが、この集めたお金をどう使うかについてはあまり関心が無いようだ。お金を貯める事にのみ全精力を投入している。

 この3人は、情報を集める事、知識を増やす事、お金を貯める事にエネルギーを費やしているが、最も大切な事は、この集めた情報、知識、お金をどう活用するか、どう有効に利用するかである。別の見方をすれば、何のために情報を集め、知識を増やし、お金を貯めるか、がないように思われる。目的意識が薄い。
仕事でも、人生でも、目標や夢を持ちそれを実現する為に日々努力をしている。何の為にかを、もう一度再確認してみると良い。


自分の役割

 一所懸命にやっていたり、真面目に努力をしていると、どうしてもその事に満足してしまい、全体が見えなくなってしまう。どんなに努力をしても1~10まで全て自分で完璧に出来る事は少ないから、どうしても他の協力者や多くの人と手を組んで1つの目的を達成していく事が必要である。

 当社では遠く離れた営業所や海外の事業所などで働く若い社員が多いが、全体の流れや最終目標は何か?を認識し、打ち合わせして明確な共通の目標をかかげ、その中に於ける自分の役割を自覚し、責任を持って達成していく事が今、求められている。だが、案外自分の役割を忘れてしまい、日常の業務に没頭し、現状や今だけにエネルギーを投入している事が多い。

「自分の役割は何か?」を自問自答してみると良い。
 変化する社会の中で、目標や自分の役割もどんどん変わっていく。夏休みなどにもう一度会社の目標や方針、グループの目標、そして自分の役割と自分自身の目標を再確認して欲しい。

2006-07-18

M-net 2006-07-18

環境

 人間の形成は、天性30%、教育20%、環境50%と常々思っている。最も大切なことが環境であると思う。
 豊かな環境の中では人は甘く育ち、チョット厳しくなるとすぐに苦しさから逃げようとする。楽な仕事があれば人はそれを求め、もっと楽な仕事を求めていく…。

 GMCの学生たちも7月に入って一斉に中国国内の各企業の幹部としてスタートを切った。意欲ある優秀な若き幹部たちも、最初の一週間、二週間は目的を持ち、意欲も高く、自主的に提案したり問題提起していたが、少しずつ環境に順応し始めてしまう。そうすると、改革の為に入った幹部たちも夢や目標でなく目先の業務に追われ、現状に満足してしまう。

 今回も企業のトップから指摘を受け、即日その幹部達を呼び出して再教育をした。彼らもハッとして、知らぬ間に環境に順応している事に気づく。「今日から改めて目標を持ち挑戦していきます」と、意識変化して帰社していく。
 改めて環境の大切さを実感した。どんなに能力があり、意欲の高い人間でも、企業風土、企業文化と言う目に見えない環境に影響を受けてしまう。トップは改めて社内、グループ内の雰囲気、環境づくりに努力しなければ、有能な社員でも育てる事が難しいと感じた。


優秀なトップ二人

 二人の優秀なトップにお会いした。

一人は日本人でC社の中国での総経理Nさんである。まずサラリーマンでなく、日本の本社を向いていない。自分で考え、様々な工夫をし、しかもそれを毎月のようにチェンジしている。一例が「利益給」である。売上と回収を一体化した歩合給である。「基本給+利益給」で毎月給与が変動する仕掛けであり、スタッフの事務職員も利益給の一部を分配しているそうである。方針が明確で、部下がこれについて来ていて安定成長している企業である。

 もう一人はT社のZ副総経理(実質的な総経理)で30代の若き女性経営者。全くの素人が社内のトラブルを解決しながら企業を本来の姿に戻している。朝から晩まで、月曜日~土曜日まで全てを企業経営に打ち込んでいる。特に幹部社員(6名)に会社の立場で物を考えるよう日々指導している姿は素晴らしい。労働者一人一人の意欲を高める為の様々な政策も(詳しくは書けないが)立派である。
 この二人のトップに共通することは3つ。
①日本の親会社の社長から全幅の信頼を得ている。
②日々改良や改革を怠りなく実行しており、毎日が変化の連続であり、試行錯誤しな
  がら自分で考え、実践している。
③最後は、トップの人間力のような気がした。
部下は言っている事でなくやっている事を見ている。素晴らしいリーダーと出会えたと感謝している。

2006-07-08

M-net 2006-07-08

頭、身体(行動)、心のバランス

 GMCの学生達が7月に各大学(院)を卒業し、いよいよ本格的に仕事を始める。トップバッターとして2名が日本へ短期の研修に来た。二人とも初めての海外であり、期待と不安でいっぱいであったと思う。

 まずこれから働く企業の本社に行った。これからの事業計画のプレゼンテーションを持参し、社長以下幹部に説明をした。ビックリした事に、会長、社長、専務、常務、取締役と経営幹部がほぼ全員揃って頂いたとの事である。これから始める新規事業とGMCの学生にどれだけ期待しているかがうかがえる。二人ともオドオドする事もなく(ものすごく緊張はしていたが)、堂々と約1時間のプレゼンテーションを行った。
 商品などを見ずに中国で考えたプランと、日本で見た実際の商品や販売方法に多少の違いはあるものの、立派なプレゼンテーションであると思われた。質問にも的確に答えられ、「これが新入社員か」と思わずにはいられない。プレゼンテーションの企画を見ても、様々な角度からよく考えられており、頭の良さがよく分かる。

 翌日からの工場見学や現場での研修に於いても、テキパキとした行動で見ていて清々しく、質問も的を得ている。
 また、明るく元気な挨拶、そして車に乗る時はまず相手を先に乗せ、荷物は持ってくれ、食事の時はそれにふさわしい話題の提供をするなど、チョットした時でも心憎い程の心遣いを見せ、気配りをしてくれる。よく考え、よく動き、相手の立場に立った、相手の目線での心遣いをしてくれる。

 一般的には頭が良いとどうしても頭中心で、考えるばかりで行動の面が弱くなったり、謙虚さや心遣いが足りなくなってしまう人が多い。一方、行動中心でよく動く人は、どうしても行動だけに偏り、頭を使う事が少なくなってしまう。
 頭の良さと行動力があったとしても、心配りまで出来るとなると、なかなかそんな人は少ない。21歳や22歳の若者がこの「頭と身体(行動)と心」をバランス良く使いこなす姿は、誰が見ても感心するし、実に頼もしい限りである。
 GMCは素質のある人を見つけ、教育し、チャンスを与える事を第一の目的としているが、まずはスタートを切ったと実感した一週間であった。